自衛隊での宿泊訓練に関するパンフの続きです。
『高校生をリクルートする自衛隊・自衛隊の手法を取り入れる教育行政』から。
(編集委員会発行、800円+税、(株)同時代社、電話03-3261-3149、FAX03-3261-3237)
「2、『防災訓練』の名のもとに、教育現場に入り込む自衛隊」
<宿泊を伴う防災訓練は韓国の「徴兵制」がモデル>
(石原都政時代の2012年に都教委の中に「教育再生・東京円卓会議」が設置される。
第三回会議(2012年4月11日)で宿泊訓練を伴う防災訓練が提案される。
その席上石原は、「教育は刷り込みだ」と述べ、次のようにも述べている。)
「韓国じゃないけれども、二年間はやっぱり兵役、警察、最低限、海外協力隊みたいな所に組織的な奉仕運動の体験をさせたらいいと思うんですね。」
(これを受けて、当時の猪瀬副知事は次のように述べている。)
「・・・防災隣組の一つの一環で。高校生に、とにかく体育館に泊まらせると。クーラーの効かない体育館に泊まらせるということを、今年やります。」
<徴兵制につながる「一週間程度の宿泊防災訓練>
(改悪教育基本法による「教育振興基本計画」の「体験学習・読書活動」の項に)
「全国の小学校・中学校・高等学校において、自然体験活動や集団宿泊訓練、職場体験活動、奉仕体験活動、文化芸術体験活動といった様々な体験活動を行う機会の提供について関係府省が連携して推進する。」
(これを踏まえた『東京都教育ビジョン』(2013年4月)には)
「・・・発災時に近隣住民の安全を支える実践力のある人材を計画的に育成するため、 全都立高校において関係機関や地域と連携した一泊二日の宿泊訓練や、防災に関する体験活動を行い、『自助』『共助』の精神と実践力を兼ね備えた人材を育成する取り組みを推進する」、とあります。
また、「都立高校改革推進計画」では「一週間程度の宿泊訓練などにとりくむ」
となっており、パンフ筆者は「これは準徴兵制につながるのでは」と述べています。
<拡大する自衛隊との連携校>
(2012年から全都立高校で一泊二日の宿泊防災訓練がはじまる。)
「179校で、自校の体育館で『発生時を想定した避難生活の疑似体験(・・)』を実施しました。体育館で備蓄米を食べての生活を行いました。
・・この年すでに4校が自衛隊と連携し、自衛隊員を招いて講演を行っています。
・・12校が『防災教育推進校』として指定・・・」「2013年度推進校は15校に拡大しました。この中に・・・朝霞駐屯地で訓練を行った都立田無工業高校も入っています。」
「2014年度は、特別支援学校にも防災訓練を義務付けています。そして全都立高校に『防災活動支援隊』の結成を義務づけています。・・自衛隊での防災訓練では、提出した名簿はそのまま自衛隊のリクルートの対象になっています。」
<学校がファシズムの拠点になりかねない『防災活動支援隊』の存在>
「都教委の出している防災教育の『要項』の中で特徴的なのは、生徒の中で『防災活動支援隊』(・・)の存在です。・・
2014年度は全ての都立高校で結成が義務付けられています。・・生徒会やクラス代表などで結成することが例示されており、そして、自校の災害時の生徒リーダーになることが要請されています。・・・生徒会に代わって生徒のリーダーとして作られるのがこの『支援隊』なのです。
民主的で自主的な組織に代わり、規律と統制の生徒組織が意図されています。・・
・・学校がファシズムの訓練の場になりかねません。
また、この『支援隊』は、地域との防災活動のリーダーになることが期待されています。
・・・金子指導部長は(都議会文教委員会(2013・11・27)で)、
『(災害派遣の)活動は、防衛の際にも求められるものであり、
自衛隊の所掌事務である防衛に含まれるというものでございます』と述べています。」
次回は、「3、自衛隊駐屯地で行われた高校生の『防災訓練』」です。