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2019年3月28日木曜日

都立高校卒業式でびらまき その六

都立高校卒業式でびらまき その六

<神代高校> 
神代高校は校舎改築中で、卒業式会場が調布駅前のグリーンホールの大ホールで行われました。昨年もそうでした。学校でないため、時間が変則的でした。
卒業式は午後1時半からですが、卒業生は10時15分までに集まって予行演習なので、卒業生へのビラ入れは9時30分からはじめ9時50分頃からが忙しくなりました。生徒は制服でした。一人で配ったので十分配りきれませんでした。「卒業式おめでとうございます」といって配ると「ありがとうございます」と言って受け取ってくれます。受け取らない生徒もたくさんいます。
9時45分頃小柄な優しそうな若い男性教師が現れてクレームを付けてきました。「ゴミになるから撒かないでくれ」「ゴミを掃除する私たちのことも考えてくれ」の繰り返しでした。「ゴミになるから」というクレームは10年くらい毎年配ってきましたが初めてでした。思想信条の自由、表現の自由など抗議しやり合っていると50分頃、 羽織・袴で正装した女性の教師が出勤してきて、私に向かって「ご苦労さまです! ありがとうございます!」といった瞬間に勝負が付きました。その男性教師は「生徒に受け取るなとまでは言いませんよ、考えて下さい」といって生徒の中に紛れ込んでいきました。彼は生徒になかなか人気があるようだった。それにしても闘う教師がいるということは偉大だと思いました。学校管理職の介入はありませんでした。
 午後12時半から保護者向けのビラ配りをはじめました。私たちと地域で改憲反対の活動をしているいるOさんが「俺の主張も配りたい」と言って、手作りの「日本人なら知っている! 憲法って何?」という独自チラシを持ってきて2枚重ねて配りました。「私の父は戦地に行って戻ってきませんでした。私の命は私のものです。天皇のものではありません」と歌うようにして呼びかけながら配っていました。保護者になかなか好評でした。
一方で、受け取ったビラをもって建物の横にはいり、こちらを見ながら携帯片手に持ち、片手でビラを何度もひっくり返して読み上げたりしてどこかに連絡している保護者もいました。
式が始まる頃、周辺を巡回してきた教師が「お疲れ様です。ありがとうございました。」と声をかけてくれました。「君が代」起立斉唱を拒否し、処分されたA教諭でした。
撒けたビラの枚数はまあまあでした。

<狛江高校>
 Mさんと2人で実施しました。あまり受け取りが良くなく、2人で100枚を越えた枚数がはけました。
すぐに管理職が出てきて、敷地内に立ち入らないことを言ってきました。そして「どこの団体だ」と言ってきたので、「ビラに書いてある。このためにつくられた団体だ」といいました。
校門に「卒業証書授与式」の看板と、「日の丸」が塀のフェンスに縛り付けてありました。
出てきた校長が「学校としてはこのようなビラは撒いて欲しくないのだ」と言うので、「我々も元教員だ。むしろこれを読んでもらうことが教育だと思っている」と返した。
この校長は校門まえで9時過ぎまで監視していました。監視があると生徒は受け取りが悪くなる。そこですぐの通りに入った見えないところに移動したのですが、この校長も見える所まで移動してきたので、元の位置に戻りました。生徒は制服、保護者はリボンをつけていました。

<立川国際中等学校>
8時~9時50分 中高一貫校で一学年の生徒数は少ない。また受け取りもよくない。
教員、保護者も受け取りはよくない。でもとくに批判的な、あるいは敵対的なことはなかった。
主幹と思われる人がそれなりの注意をしたのと8時半過ぎに、おそらく管理職と思われる上品な物腰の柔らかい女性が「これから来る人も多くなりますので事故のないように・・」といいますので、「昨年は来ませんでしたが何回か来ていますので事情は分かっています」と応え お互いに「よろしくお願いします」と挨拶。
ごみ箱だろうか、プラスチックの大きなバケツが門の奥に用意されてはいたが、とくに入れるように指導はしてはいない。入れる生徒も見なかった。
保護者へのご挨拶だろうか、若めの教員2名が門の近くにいるのだが、こちらにもとくにこれといったこともなく、9時半をすぎて門を閉めるときには「こちらの門は閉めます。
向こうの正門に回ってもらうことになりますので」と親切に教えてくれた。
それにしても「世界で活躍 異文化交流云々」の基本はいろいろな意見・考えがあるということを知ることだと思うのだが、このチラシの受け取り具合でそのような素養は育っているのだろうか、国際レベルの人権感覚が育っているのだろうかといつも考えてしまう。

<新宿山吹高校>
この高校は4部制(通信制も入っている)の定時制高校。12:30頃に着くとすでに卒業生たち10名余りが学校の前(広い歩道。そこからすぐに校舎に入る)で、嬉しそうに記念写真を撮っている。彼ら彼女らに「卒業おめでとうございます」と言って、ビラを渡そうとすると、お互い顔を見合わせて、受け取ろうとしない。そのうち、一人の生徒が「気持ちだけ受け取っておきます」というので、「分かりました」と言って、彼らから少し離れたところでビラまきを始める。
1人の男子生徒が近くの花壇の所に座っていたので、「卒業生ですか」と聞くと、「そうです。自分は3年で卒業しなければいけないと言われたので、苦しかったです」というようなことを話した。「頑張りましたね」と言うと、「ハイ」と返事をし、ビラを受け取った。
その後、次々にやって来る生徒や保護者は、「卒業式おめでとうございます」と言うと比較的よく受けとった。そうしているうちに顔見知りになった若い教員が出て来たので
ビラを渡し、「卒業生が嬉しそうにしているね。これまで苦労してきた生徒たちが多いからね」などと話し、ビラの内容も説明する。彼は間もなく仕事があるらしく、中に入って行った。今回は管理職は出てこなかった。
そうこうしているうち、夫婦連れの保護者がやってきたので、ビラを渡すと、「学校に許可を取っていますか」と言うので、「公道でのビラまきには許可はいらないのです」と答えると、今度は二人でビラを見、ビラを返して、中に入って行った。
このようなこともあったが、全体としては穏やかなビラまきだった。