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2019年3月17日日曜日

都立高校卒業式でビラまき その一

都立高校卒業式でビラまき その一
 
3月1日から都立高校の卒業式が始まりました。最後は3月22日です。
都教委・包囲ネットは今年も、卒業式の日に、正門前で卒業生と保護者に「おめでとう」とともに時代状況を訴えるビラを撒きました。都教委・包囲ネットの他にも「練馬教育問題交流会」や「地域と学校を結ぶ板橋の会」なども地域でチラシ撒きを行いました。
今年で15回目になります。今年は3月8日(金)に49校、3月9日(土)に81校と卒業式が集中したこと等々で、撒く体制が十分取れませんでしたが、それでも約1万枚からのビラを撒きました。
今年もいろいろなことが校門前で起こりました。
ビラまき報告が寄せられたところを紹介します。

■高校ビラまき報告 
<青井高校>
4人で、7:55からビラを撒き始めました。教職員が登校していましたが、ビラの受け取りは良くありません。
8:10ころ、二人の教員が出てきて、年配の教員が、「敷地内に入らないでくれ」と言ってきました。そのあと、しばらくして若い教員が2人で「卒業式」と書かれた看板を正門にかかげ、案内係と思われる教員が2人、正門に立ちました。
生徒は次々と登校し、ビラを受けとって行きました。
8:35ころ、ひとりの教員が出てきて、ビラを配っているメンバーひとり一人に「生徒、保護者にはビラを撒かないでくれ」と言ってまわりました。
「ビラをまく自由はあるんじゃないですか?副校長ですか?」と聞くと「校長です。ビラの内容は学校の方針と違うので」と言うので、「ビラをまくなというのは、都教委の方から指導があったのですか?」と聞くと「いや、うちの高校の判断です。警察には連絡しました。」と言って帰っていきました。
高校の敷地外でビラを配るのは自由なので、引き続きビラまきを最後までやりました。
9:45には、生徒も、卒業式に参加する保護者もほぼ校内に入ったので、ビラまきを終了しました。
保護者でビラを見て、返してくる人が3人ほどいましたが、生徒、保護者も結構受け取りが良かったです。
ある生徒は、「沖縄のことが書いてある」といって受けとっていきました。
警察に連絡したと校長は言っていたのですが、警察は来ませんでした。例年、青井高校で撒いていますが、「警察に連絡した」と校長が言ってきたのは初めてでした。

<杉並工業高校>
杉並1000人委員会の方と二人でまきました。職員ではいつも受け取ってくれる方々が今日も笑顔で受け取ってくれました。生徒の受け取りはあまり良くありませんでしたが、それでも、中から出て来て受け取る生徒が2名いました。保護者は殆ど受け取ってくれましたが、1人の保護者がビラを返し、「共産党?」と聞いて来たそうです。

 <野津田高校>
町田市にある都立野津田高校にいきました。Kさんと二人で撒きました。この野津田高校は、かつて(ビラまきを始めた頃)、ビラまき逮捕が起こった学校です。
野津田高校のバス停の場所が「学校の私有地(敷地内)」だというので、不法侵入で逮捕されました。バス停の場所が学校の私有地だなんて区別がつかない場所の状況です。
昨年は、警察の車に監視され、帰りの車の後を付けられました。
自転車通学も多く、撒きづらい学校です。途中、副校長が来て、「敷地内に入らないでください」と言いに来ました。
この学校には被処分者のOさんがいて、私達の方に来て、顔を出してくれました。「教員の定数欠員校で、授業を組み合わせて大変だ」といっていました。

 <足立新田高校>
この学校は出入り口が3ケ所ある。自転車置き場のところと裏門と正門。それぞれに学生と教員が来る。2人で撒く。
①8時25分までは自転車通学の学生が入る通用門と裏門で撒く。校門の前で撒く。昨年までは通用門のところに私服車が現れていたが、今回は現れなかった。
15分頃に副校長(60歳前後、男性)が出てきて、「自転車の妨害にならないように」としつこく言ってきた。「ビラまきをしてはいけないのか」と聞くと、「いや、それは自由です」「でも向こうの方でやってください」と言ってきた。
副校長が出てくる前は学生にけっこうビラを渡せていたのだが、副校長が出てきてからは副校長がじゃまになり、自転車の安全を考えたりでビラを渡しづらくなってしまった。
②8時30分からは、正門前に移動した。しばらくしてからまた副校長が出てきて、「敷地内に入らないように」「荷物をここへ置かないで」と言うので、「もともとここは誰の土地でもなかったはず」「学校はもっと地域に開かれた場所であるべき」と言ったが黙っていた。
③「敷地に入らないように」とうるさいので、「ちゃんと歩道で撒いているではないですか」と言うと、「さっき校門の中まで入ったではないか!」と怒鳴ってきた。
それは、自転車で入る学生が入りながらビラを受け取りに戻ろうかという仕草をしたので追いかけて渡したときのことを言っていたのだ。その時正門のところに教員はいなかったが、どこかでずっとビラまきを監視していたのだった。
「警察みたいですね」と言うと、「ええ、警察と同じですよ。法令は守らないとね」と躊躇なく即反応したので、「警察と学校はちがうでしょ」とびっくりしてしまった。
こういうのも都教委に報告するんですかと聞くと、それはしないと言った。
④この会話を聞いていた保護者(女性)が、「犯罪から子どもたちを守らなきゃならないし」と言ってきた。「私たちもこうしたものを持たされているんですよ」と首から下げていた通行証を示した。卒業式に参加する保護者は事前にこうしたものを配られているということのようだ。日常的にもそういうことをしているのか、詳しくは聞けなかったが、「犯罪防止」の名のもとに、警察との連携が強まり、さまざまな「自由」を売り渡してしまっている教育現場の現状を改めて目の当たりにした。
⑤2人で撒いたので、持っていったビラ250枚は9時40分にはなくなってしまって残念だった。

<山崎高校>(町田市)
町田市在住者二人でまきました。大規模団地の中の小さくのんびりした雰囲気の学校。
ここは経験上生徒さんの受け取りが良いので、雨でも気楽に行けました。
8時に着いたら、2人がかりで正面の門扉にポールを苦労して縛り付け、「ひのまる」と「校旗」を掲揚中でした。看板は「卒業証書授与式」。
小雨の中でしたが、処分の話をすると立ち止まって聞いてくれる在校生がいたり、自転車を降りて受け取ってくれたり、4分の3程度は受け取ってくれました。笑顔も弾けて学校の雰囲気はそのままでした。教員は出勤が早く、渡せませんでした。
途中で男女二人組が登場し、「通行妨害」「敷地内立ち入り」への注意を述べた。年配の女性に「副校長ですか」と聞くと頷く。あなたの赴任のずっとまえからここにきてるから大丈夫。
それよりなんで女性も「偉くなりたい」なんて思うのかしらねえ、生徒との距離が遠くなるのにと私がこのように話しかけると、すぐに引っ込んでしまった。
9時前に人通りが切れたところで、急に雨脚と北風が強まり、ビラまきは中止にした。

 <羽村高校>
雨があがったと思うとまた少し降り始めるという中で行いました。チラシを濡らさないように胸元につけて…。管理職も出てこないし、教員らしい人も「卒業式」の看板と日の丸を出しに来たくらいでほとんど見かけず、保護者も一名「寒い中ご苦労様です」とねぎらいの言葉があったくらいでした。
タクシーから降りた男性2名にチラシを渡そうとしたら、一名がチラッと濃紺の手帳を見せた。ひょっとして…。数年前までは明らかな公安警察が堂々と学校内に入っていましたが、最近は目立たなかったのですが…。
この天候の中では配布できた方かな、と自己評価。

<板橋高校>
包囲ネットのチラシを、国際人権NGOのKさんと君が代裁判原告のHの2人で配りました。「学校と地域を結ぶ板橋の会」の方々が独自チラシを3人で配っていました。
小雨ですが、ひっきりなしですので、傘が手放せない悪条件でした。
チラシは濡れるとよれよれになって渡しづらい。二つ折りで何とか渡せる強さになります。それでも持参した200枚を2人で配りきることが出来ました。板橋の会の方も同じくらいの枚数配れていたと思います。
去年は異様なくらいに受け取りが悪かったのですが、今年は普通でした。
ここは3年前から改築が始まり、ずっと臨時通用門を使っていましたが、今春は真新しい校門前でチラシ配りが出来ました。
15年前、国歌斉唱時に卒業生の9割が一斉に着席した頃とはうって変わって、制服の学校になってしまっているので、生徒が皆同じように見えてしまいます。小雨にもかかわらず、校門の「卒業式」の立て看板の前で、スマホで写真を撮ったりしています。
8時前にこの立て看板を教員3人で出しに来た時、その中の1人が「敷地内に入らないで下さい。生徒には配らないで下さい。よろしくお願いします。」と、声を掛けてきました。全くステレオタイプですね。
こちらからは、次のように言いました。
「卒業式では、生徒や教員の人権を尊重して、国旗国歌への起立斉唱を強制しないで下さい。よろしくお願いします。」
それに対しては、何も答えずに、目を伏せて引き返して行ってしまいました。今日は、東京都教育委員会の定例会とかぶっていたので、私は9時で切り上げて傍聴に行きました。
Kさんが10時まで残って撒き続けてくれました。

 <武蔵丘高校>
ビラをまき始めてしばらくすると、数人の教職員が校門のところに、「卒業式」の看板と大きな二本の「日の丸」を掲げにやってきた。そこで、私が「日の丸は戦争の旗です」と言うと、なんか文句(よく聞こえなかった)を言ってきたので、「また昔と同じことを繰り返そうとしている」と言い、ビラまきを続けた。いつも校門の前に来る副校長は今日も出て来て、突っ立っていた。
生徒の反応は全体的にあまり良くないのだが、女子の方が良かった。教職員もあまり良くなかったが、顔見知りの教員が来たので「大変でしょう」と声を掛けると、ビラを受け取りながら「ご苦労様です。言いたいことは沢山あります」と言って中に入って行った。余程嫌なことがあるのだろう。
やがて毎年やってくる安全パトロール(?)の年配の男性がやってきた。お互い「元気ですか」などと言い合い、校門の中で生徒指導(こちらを監視?)している教員の前で、談笑(時には大声で笑い)しながらビラをまき続けた。ビラの受け取りは少し良くなったようだった