8月3日(月)、前日の「全国学習交流会」を受けて、文部科学省交渉が衆院第二議員会館・会議室で行われました。
■文部科学省との交渉
★文科省側からは、
<大臣官房国際課>(1人)
<高等教育局国立大学法人支援課>(2人)
<初等中局教育局>(9人)
<生涯学習政策局>(1人)
の計13人が来ました。
こちら側の参加者は39人でした。
★「全国学習交流集会」実行委員会では、前もって、社民党の吉川議院を介して「質問書」を出しておきました。
それは、主に次のようなものでした。
1、「日の丸・君が代」に関する質問
2、大阪府・市の教育政策に関わる質問
3、教育改革法案成立後の教育行政の変化等に関連して
★この中で、「日の丸・君が代」に関しては、
「学習指導要領で義務づけている国や、卒・入学式を国際儀礼習得の場としている国があるか」という質問がありましたが、
それに関して文科省は全く答えられませんでした。
★大阪の「職員基本条例」(3度目の不起立で免職)と処分については、「調査をし把握しているが、処分は懲戒権者の判断だから、文科省は関知しない」というようなものでした。
★さらに、大阪の被処分者・奥野さんが
「自分が知っている外国の記者などは、日本でこのようなことが起きていることを知ると驚く。諸外国でも処分をしているのか。」と質問すると、
「米・英・独・仏・中・韓の調査はやっているが、世界全体は調べていない」という回答でした。
それで、「文科省は<国際人として>など言うが、調べてもいないのに、どこの国もやっているかのように言っている」などと批判すると、
文科省の役人は「現行の学習指導要領では・・」とか「社会通念上」などと繰り返すばかりでした。
★大学への「日・君」要請に関しては、「文科省内部で議論したのではない。大臣と話してそうなった」などと答えていました。
また、「大学の組織見直しを来年度から6年間の計画で行う」というようなことも述べていました。
国立大学はどんどん目先の国策遂行大学になりそうです。
★次に<道徳の教科化>については、文科省の役人は、この間の彼ら内部の經過を述べ、
さらに、「道徳教育は学校教育の<要>である。各教科でも関連について明らかにしてやってもらいたい」というようなことを述べました。
★この<要>という言葉は初めて聞きました。ということは、これからの学校教育では、
「道徳的国語」。「道徳的社会」、「道徳的数学」「道徳的理科」「道徳的芸術」「道徳的体育」などというようにすべて<道徳>が支配するようになるでしょう。
その結果、科学的な思考は追いやられ、<道徳>によって奇形化された学問が支配することになるでしょう。
しかし、結局のところ、戦前の「修身科」が戦後廃止されたように、これも同じ道をたどるでしょう。
★次に<教科書採択>のことが問題になりました。
その中で文科省は「採択地区が細分化した」と述べました。これに対しては「横浜市や大阪市のように巨大な採択地区が出来ているではないか」という強い批判の声があがりました。
★最後の方では、文科省が自衛隊にも「総合学習」などでの協力要請をしていることに対し、「やるべきではない」という声が上がりましたが、「取り消せない」という回答でした。。
その中で「職場体験と称して、実弾演習訓練見学をして何を学ぶのか」という質問に対しては、「社会についても学ぶことが大事。校長の判断だ」というような答えをしてきました。
また、「9月1日に立川で行われる防災訓練に小中学生も<総合学習>で動員される。しかし、小1、2年には<総合学習>は入っていない。
取りやめさせるべきだ」との批判に対しても、何も答えませんでした。
★以上のように回答にならないものばかりでしたので、最後に、こちら側が、
「きちんとした回答をもらっていない。国際的なことなど。ですから私たちはもう一度文書で質問します。改めて回答してもらいたい」、と言うと、文科省はしぶしぶ「わかりました」と述べました。
★以上から明らかなように、文科省の役人は、与えられた制度や法などにいかに精通し、うまくこなすか、ということに汲汲としていました。
彼らにとって、与えられた仕事に対する疑問や批判を持つことは、あってはならないことのようです。