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2015年1月10日土曜日

都教委の防災訓練に名を借りた自衛隊隊内訓練の推進を暴くブックレット(6)

■あけましておめでとうございます。今年はあらゆる意味で大変な年になります。安倍内閣を許さず、都教委を許さず闘いましょう。

自衛隊での宿泊訓練パンフの続きです。

「5、沸き上がる自衛隊の「宿泊防災訓練」への抗議・反対運動の取り組み」
   (ここでは三つの団体の取り組みが紹介されています。)

<「自衛隊をウォッチする市民の会」の取り組み>
 ・有志59名で東京都に監査請求を行った。
  「2014年7月25日、東京都監査委員に対し、都教委(短縮)が自衛隊と連携して、2013年7月に都立田  無工業高校の生徒をして陸上自衛隊朝霞駐屯地で二泊三日の宿泊防災訓練を実施したことに関し、防災 訓練とは名ばかりで、実態は自衛隊の広報活動ひいては募集広報であるので、不当かつ違法だとして、
 都教委が同訓練に支出した費用の返還を求めて、住民監査を申し立てました。
  これに対し、東京都監査委員会は、不当かつ違法だとする理由が具体的でないし、客観的でもないとして、却下する決定を行いました。」

 ・監査請求「却下」は違法である。
  「・・『却下』は請求の要件をみたしていない場合に行われるもの・・しかし、一般的に不当・違法だとする 理由が具体的かつ客観的であるという点が住民監査請求の要件に挙げられてはいないため、今回の却下 決定は違法です。
  ・・請求者に権利として認められている意見陳述の機会や証拠の提出といった手続きを経なければ、そも そも判断できないものであります。それにもかかわらず、今回はそれらの手続きも一切経ていません。・・」
  「・・今回の『却下』決定に対する異議申し立ては、裁判所に住民訴訟を提訴するこ  としか途はありま せん。しかし、当会は運動的にみて、この時期に裁判を起こすより  も、さらなる世論換起をうながして、  直近で予定されている大島高校の武山駐屯地で  の宿泊訓練に対する反対運動の声を強めていくこと  が、平和憲法を護り、決して子ど  もたちを戦場に送らない歩に資すると判断しました。」

<都教委包囲首都圏ネットワークの取り組み>
 ・学校への抗議行動を開始しました。
  「2013年9月17日に学校に出向いて抗議の申し入れ・・・、10月2日に学校宛の『公開質問書』を提出して 話し合いを要求・・
  この件も含めた都教委の攻撃に対する抗議ならびに闘いの方針提起の集会(「もう黙っていられない10・ 27集会」)を開催・・」

 ・田無工業高校の校長に自衛隊訓練中止を迫る
  「11月19日、・・学校を訪れ、校長と話し合ったのは7人。池上信行校長(同席・  経営企画室長)が対  応しました。当日は、すでに提出していた『質問書』に対する『回答』とともに、二時間近く意見を交わしまし た。 ・・しかし校長は、『自衛隊がなぜ問題なのか全く理解できない』し、『整列、行進』なども常々学校で もやっているものだから、『なぜいけないのか』というだけでした。せいぜいが『非常呼集』が軍隊用語をい うなら、今後検討すると答えただけで、まさに『糠にくぎ』の状態でありました。
  ・・田無工業高校は、11月23日にあきる野市で開催された東京都防災訓練に、遠方にもかかわらず特例 的に参加を許され、生徒たちは、またしても『避難経路』を示す地域のジオラマ展示などに再動員されまし た。・・
  ・・私たちは、・・その後も学校説明会や卒業式にあわせて校門前でのビラまきを続けました。しかし今年 (2014年)2月、・・二年生全員を対象に、・・(BumBでの)  ・・自衛隊指導による宿泊訓練を強行しまし た。」

<ふぇみん婦人民主クラブの取り組み>
 ・新聞報道で知り、ただちに行動
  「・・新聞報道を見た私たちは、ただちに防衛省と都教委に抗議文を出しました。
  都教委からの回答を受け、再度の請願書と質問書をだし、直接面会の申し入れも行いました。今回の都 立大島高校の場合を含め、これまでに四回の請願書をだしています。また、教育系労組、市民団体やマス コミにもその旨を知らせ、取り組みを要請してきました。」

 ・語り継がれてきた戦争体験と平和への思い
  「ふぇみん婦人民主クラブは、敗戦の翌年の1946年に結成され、平和問題を柱に女性の人権、環境危  機などの活動に取り組み、新聞『ふぇみん』を発行し続け今日に至  っています。・・・
  この7月1日に、集団的自衛権行使容認の閣議決定が行われたことに対して、ふぇみん定例句会で『集  団的自衛権 また若ものを 死地へと煽る』と、その胸の内を詠んでいました。」

 ・「防災訓練」の名のもとで行われていること
  「2000年9月、石原都知事(当時)は『ビッグレスキュー東京2000~首都を救え~』 と題した総合防災訓 練を自衛隊7000人以上の参加で行ったのです。
  この時、多勢の迷彩服の自衛隊員が銀座の街にあふれました。そして、四丁目の交差点を『首都の防  衛を担う』役割を持つとされる陸上自衛隊第一師団(練馬駐屯地所属)の装甲車が走り抜ける光景を見ま した。・・」

 「2014年3月5日号の『ふぇみん』には、『フィリピンを襲った台風の災害支援に1000人の自衛隊が派遣され たが、支援に乗じて比・日・米三軍による軍事演習も同時に行った』とあります。・・・自衛隊の主任務は国 家の防衛ということになっており、・・・災害支援はあくまでも付随的な任務という位置づけ・・・『防災訓練』 『災害支援』でも、『軍事組織』という本来の役割が顔をだしがちなことには注意が必要ではないでしょう   か?」

なぜ自衛隊?都教委の回答が示すもの
 「都教委は『なぜ連続して自衛隊を訓練場所に選ぶのか』との私たちの質問に『災害発 生時に中核的な役割を担うから』と答えています。
 さらに『なぜ駐屯地で行うのか』には『自衛隊員から防災に係わる知識や技術を体験的 に学ぶだけでなく、集団での規律やルールを学び・・・』と回答しました。
 『訓練の評価は?』の回答にも『集団の秩序とリーダーシップの在り方について学習し た。このことはまさに災害復旧の中心となって活動した自衛隊員から指導を受けたから こそできたものといえる』と述べました。
  このように都教委は、この防災訓練で『集団行動』を重視しているのです。これはかつての軍国主義教育でみられたことと変わりません。・・・
  『自衛隊は都教委側からの働きかけで宿泊防災訓練を行ったと聞くが、これが事実だ とすれば教育の政治的中立性をみずから逸脱したものと考えるがどうか』 の質問には、 ・・『インフラが壊滅した状態でも、物資や燃料等を独自に調達し、その能力を大いに 発揮し、被災者住民から感謝されたことは周知の事実である。
 災害発生時に中核的役割を担う自衛隊から、生徒が学ぶことは有意義である』と、あたかも自衛隊の宣伝隊のような回答ぶりでした。
  しかし、自衛官の自殺は一般公務員の1・5倍と高いことが伝えられています。・・・・こうした事実を、都教委はどう受け止めているのでしょうか。・・
 『日の丸・君が代』の強制に始まる都教委の思想・信条を侵害するふるまいは、今も記憶に新しいものです。そして今回、自衛隊への急接近にも広範な市民による注視と批判は不可欠だと思います。」
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このように、反対行動が起きる中で、
前回の「彼らの真の狙い」と同時に、今回の<・なぜ自衛隊? 都教委の回答が示すもの>に見られるように、都教委が「防災訓練」の名目の下に、自衛隊での「宿泊防災訓練」を正当化している、 こともよくわかります。
行き着くところ、自衛隊における全都立高校の「宿泊訓練」であり、学校における「自衛隊員による指導と訓練」、ということさえ否定できません。

次回は、「6、都立大島高校の『宿泊防災訓練』」です。