「7、東京都総合防災訓練とこれへの児童・生徒の参加」です。
(米軍・自衛隊参加の東京都総合防災訓練に反対する実行委員会)
<ビッグレスキュー東京」を覚えていますか>(略)
<形を変えながら続けられる東京都総合防災訓練>
「・・ビッグレスキュー以降、毎年、都内各地でこの総合防災訓練が 行われてきています。 2001年に八王子・立川、2002年に練馬、 2003年に日野、2004年に荒川・墨田・台東、2005年に町田、 2006年に足立、2007年に昭島・福生など、2008年に中央・江東、 2009年に調布市・世田谷区、2010年に文京区、2011年に小金井・小平など、 2012年に目黒区、2013年にあきる野市、そして2014年は杉並区という具合です。
・・以前は9月第一週の土曜日、現在では8月の最週の土曜に・・ 。訓練の中身は帰宅困難者訓(・・)・・道路啓開訓練(・・)・・ヘリコプター支援(・・)・・木造建築物密集地域(・・)など・・・・自らを守る自助や、地域の住民やボランティアなどの地域の助け合いで守るという共助を強め、公助の色彩を弱める方向に進んでいるようです。
・・自衛隊の参加は陸・海・空の三自衛隊員が7100人参加をした2000年の総合防災訓練と比べると2014年の総合防災訓練は約300名参加と自衛隊の参加人数は減りました。これは2004年に国民保護法を含む武力攻撃事態対処関連三法案が成立し、国民保護法名目での訓練を行えるようになったり、2012年に23区で陸上自衛隊の災害対処訓練ができるといったように、東京都総合防災訓練という形ではなくても自衛隊が訓練に参加できるようになったからではないかと分析しています。それにも関わらず自衛隊が・・参加するのには、 2006年から米軍が参加するなど、東京都総合防災訓練でしか実現できない面があるからだと思われます。
このような米軍・自衛隊参加の総合防災訓練に反対するために、毎年、実行委員会を立ち上げ、東京都や会場の自治体に対しての行政交渉、訓練当日の監視行動(・・)、抗議情宣とデモ活動、報告パンフレット作りなどに取り組んできました。・・」
<東京都総合防災訓練への児童・生徒の参加>
「・・児童や生徒の参加に関しては都立高校の生徒の参加が中心であり、市区町村の小学生や中学生の参加はそれほど多くありません。・・・・・なぜ小学生や中学生の参加が都立高校と比べると少ないのかは推測が入りますが、防災訓練の日程や概要が固まり、各区市町村教育委員会から各小学校や中学校に依頼をするころにはすでに学校行事等の予定が入っており、動かせないという事情があると思われます。・・」
<児童・生徒、高校生の参加の形態>
「・・2012年の目黒区では、区内小学生120人、区内中学生120人の参加を予定していたのですが、実際の参加者としては小学生87人、中学生42人にとどまっています。・・・
・・・都立高校の生徒の参加は常に一定数あります。・・・小学生・中学生参加の場合より意思疎通がしやすいという要素があげられます。 また東京都が改正教育基本法に基づく『ボランティア活動など社会奉仕体験活動』 を積極的に進めており、2007年すべての都立高校必修として奉仕という教科が作られた影響は大きいのではないでしょうか。」
<トリアージ訓練は軍事訓練の一環>
「・・2010年の文京区の場合、都立小白川高校・中等教育学校がトリアージ訓練の会場として使われ157名の生徒が『ボランティア活動など社会奉仕体験』活動の一環として参加しました。・・トリアージは大事故や大規模災害など多数の傷病者が 発生した際において、救助の順序を決めるため、傷病者が医療資源を超えてしまう野戦病院において行われてきており、軍事色が極めて強いものです。
会場には陸上自衛隊第一後方支援連帯の看板を付けた大きなテントが張られるなど、さながら野戦病院のような雰囲気の中、傷病者として特殊メークを施された上、重傷や軽傷などけがの程度を著すトリアージタグをつけて担架で運ばれる様子は一種異様な光景でした。・・・」
<自治体独自の私立学校への協力依頼>(略)
<自衛隊の本質と児童・生徒との関わり>
「・・集団的自衛権行使の閣議決定により、海外での戦闘行為によって自衛隊員が殺し、また殺される状況に突入したといわざるをえません。
そのような状況下で自衛隊員の募集はこれまでと違う困難さが出てくることになります。それを補う機会として東京都総合防災訓練を通じてのリクルート活動に力を入れる可能性があると考えられます。
現在の東京都総合防災訓練でも各自衛隊がテントを出し、防災とは直接関係ないパンフレットや勧誘チラシを配布しています。展示場所で子どもに対して迷彩服を試着しての記念写真を撮るなど自衛隊の好感度アップの宣伝等もなされています。
東京都防災訓練でもらったチラシが元で自衛隊に入隊し、戦死したりする状況が今後おきるかもしれません。」
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ここでは「総合防災訓練」なるものが、単なる地震や火災などのためのものではなく、戦前の防空訓練にも匹敵するようなものになっていることがわかります。
とくに、自衛隊の参加により、「戦争を前提とした訓練」になっていることが容易に見て取れます。
したがって、児童・生徒の参加を見ても高校生が中心になっています。同時にこの機会が自衛隊の宣伝と募集活動に使われています。
昨年7月1日の「集団的自衛権行使容認」の閣議決定は、「積極的平和主義」の名のもとでの「戦争容認」の決定であったことがよくわかります。
次回は、「8、銃剣道による自衛隊へのこどもたちの取り込みは許されない!」、です。