◆東京都のスピーキングテストについての整理
小池都知事の肝いりで導入された「スピーキングテスト」に反対しよう!
4/19「中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の都立高校入試活用に反対する都民集会」が都議会第一会議室で開かれました。 報告:渡部さん
▼最初に「入試改革を考える会」代表の大内裕和・武蔵大学教授がスピーキングテストの経過について紹介
〇2021年11月から反対運動始まる 経緯を紹介
〇2022年3月、「入試を考える会」が文科省記者クラブで(ESAT-J)の問題点を指摘。この時、英語教育学者・鳥飼 玖美子(立教大名誉教授)も参加。
〇2022年7月、「都立高校入試英語スピーキングテストに反対する保護者の会」が結成
〇2022年9月、都議会で、立憲民主党などがスピーキングテストを入試に使わないことを提案→本会議で否決
〇2022年10月、都民ファーストの会の都議3人が会派方針に反し、党を除名される。その方々はその後ミライ会議を結成。この4/19集会に参加
〇2022年10月、都立高校入試への活用中止のための「英語スピーキング議連」(42名)発足。この4/19集会に参加
〇2022年11月、「入試改革を考える会」の大内裕和、吉田弘之さんらが小池都知事らに対し「住民訴訟」を提訴
●11月27日、中学校英語スピーキングテストが強行
試験時間中の「音漏れ」が多数発生
〇2022年11月、それを受けて「英語スピーキング議連」、「中止を求める会」「保護者の会」「入試改革を考える会」の4団体は実施調査を行い記者会見を開き、東京都にも検証する調査をするように求める。→都はやらず。
〇2023年7月、「ベネッセ撤退」の報道→ブリティッシュカウンシルに代わる
●2023年11月26日 新たな事業者で試験実施。
再び「音漏れ」などのトラブルが発生
〇2023年12月5日 「英語スピーキング議連」と市民団体主催で「実施状況調査(アンケート)回答結果について」記者会見
〇2023年12月6日 東京地裁で口頭弁論(傍聴席満員)
〇2023年12月27日 入試改革を考える会が「実施調査」と「要望書」を都教委に提出。調査は2024年4月に至るも何もやっていない。
▼「都立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会」の方から<ESAT-J Year1,2(中学1年、2年)の問題点>という報告。
(新しく中1、2年生もやるようになったので、一部簡単に紹介・報告
………
1,到達度テスト、スピーキングテストとして、機能していない。
・ほとんどの生徒が周りの音が聞こえたと言っていたり、他のクラスの生徒から問題の 解答にかかわる内容を聴いた生徒もいたりした。到達度テストとしてもスピーキングテストとして、機能していない。・・・
2,話す力がつかない
・テスト自体(内容)の問題も大きいですが、タブレットに向かって一方的に話すとい う体験は意欲を削ぐことにつながります。実際にALTと直接話すチャンスは以前よりも減らされています。・・・
3,公教育の市場化が加速
・民間業者が学校現場にどんどん入り込んできています。教育現場の労働条件や学習環境(教員の持ち時間や1クラスの生徒数など)は改善されないまま、民間企業にお金が流れる事業ばかりが進んでいます。
4,税金の無駄使い
・予算は今年度35億円、次年度43億円へと拡大しています。これだけの予算があれば全都の小中学校での35人学級が可能になります。1年生の試験時間は9分間、年間1回のわずか9分間のテストに莫大なお金をかけるよりも、生徒の日頃の学習環境のために、…もっと有意義なことに、教育予算を使うべきです。
まったく、試験の名に値しないほどお粗末で、問題だらけです。
▼再度、大内裕和さん発言
〇反対運動の特徴と成果
・英語の専門家、教育学の専門家、現場教員、保護者といった専門家と現場、市民による広範なつながりの反対運動が形成された。
・議連の結成はこの動きと連動しており、「市民・都民と『英語スピーキング議連』議員との共闘」が形成された。このことが「ベネッセ」撤退の要因の一つとなった。
<運動の成果>
(1)ESAT-J事業からベネッセを撤退させた
(2)東京都以外の他道府県へのスピーキングテスト「入試活用」拡大を阻止した。
(3)「日本で最初に英語スピーキングテスト入試活用を実現させた」
小池都知事が自らの成果としてPRしにくくなった。
〇明らかとなった東京都教育委員会と都議会・小池与党の問題性
・東京都教育委員会は、「不受験者の扱い」「音漏れ」「平均点疑惑」「採点ミス」などについての疑問に答えない。こちらが明らかにした事実を認めない。
・また、市民・都民にまともな対応を行わないなど、「市民常識が欠如」した東京都教育行政の問題点が明らかになると同時に、
・それが小池都政、都議会・小池与党のあり方とむすびついていることが、ESAT-J都立高校入試活用反対運動の過程で明らかとなった。
〇ESAT-J住民訴訟について
・2022年実施のESAT-Jについて小池百合子・東京都知事に約5億円の賠償請求
テーマ(1)「公の支配」に属さない教育への公金投入
(2)個人情報保護法制違反
(3)入学試験の公平性・公正性に反する最小経
費最大原則違反
南風原朝和氏、羽藤由美氏、中村高康氏3名の専門家
による「意見書」が提出される予定。
〇最後に、ESAT-Jから見えてくる「公共の民営化」=「私物化」という問題点
・ESAT-J ⇒ 公教育の私物化
・神宮外苑 ⇒ 公共空間の私物化
・プロジェックションマッピング ⇒ 都庁舎の私物化
・都議会での異論排除・質問回答拒否 ⇒ 都議会の私
物化
★さらに、公教育を私物化するお粗末な業者スピーキングテストだったことが明らかになりました。
★小池都知事は「都民ファースト」、「情報公開」などと述べて都知事になりましたが、それらはことごとく嘘であったことが、ESAT-J反対運動のなかでも暴かれ、その化けの皮が剥がされてきたということでしょう。
★今、このESAT-J反対運動は、7月の都知事選に向けても、その他の諸問題とともにも力強く発展しつつあります。
★★集会のお知らせ
・5月19日(日)18:30~
・練馬区ココネリ研修室
練馬駅北口 ユニクロのビルの3F
・「どうする!?東京 練馬区民集会」
(7月7日の都知事選へ向けての集会)
東京都政の現状と問題点、課題を各テーマから考え共有する集会
そのひとつのテーマのスピーキングテストについて
・発言 大内裕和・武蔵大学教授
ESAT-Jについて