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2014年6月16日月曜日

実教出版の日本史の教科書の使用についての都教委のペテン

■都教委の実教出版の「日本史の教科書」の使用について

◆朝日新聞6/12の記事    見出し「実教出版の教科書、都教委「不適切」 日本史の記述で」

▼東京都教育委員会は12日、実教出版(東京)の高校日本史教科書にある一部の記述が都教委の考えに合わないとして、「使用は適切ではない」とする見解を都立高に通知すると公表した。昨年度に続き2回目の通知となる。

 「不適切」とするのは「高校日本史A」と「高校日本史B」。国旗掲揚や国歌斉唱に関して「一部の自治体で公務員への強制の動きがある」という記述について、都教委は「国旗掲揚と国歌の起立斉唱は教員の責務であるとする都教委の考え方と異なる」としている

◆東京学校ユニオン(増田都子さん)の都教委への要請書より(教科書の部分抜粋)

「3、昨年6月27日、貴委員会が教科書選定に関して実教出版歴史教科書のみ排除を議決し、各学校に見解通知を出したことに対して、当団体・組合は何度も以下のように要請した。

●当該教科書の「(国旗・国歌を)一部の自治体で公務員への強制の動きがある。」という記述は客観的事実である。当該記述により「教科書として使用することが適切でない」とする理由を「『入学式、卒業式等においては、国旗を掲揚するとともに、国歌を斉唱するよう指導することが、学習指導要領に示されており、このことを適正に実施することは、児童・生徒の模範となるべき教員の責務である。』とする都教育委員会の考え方と異なるものである。」とするが、貴教委の「考え方」と、この当該客観的事実が、どう「異なる」と判断したのか、説明されたい、と。

■これに対し、回答はいつも「当該教科書の記述は、学習指導要領及び通達に基づく校長の職務命令に従い、教員が国旗・国歌の指導を適正に行うことは、教員の責務であるとする、都教育委員会の考え方と異なることから、都立学校において当該教科書を使用することは適切でないと判断したものです。」であった。

▼本件に関しては、福島瑞穂参議院議員を通じて文科省初等中等教育局教科書課企画係長から貴教委指導部管理課高木課長宛の2013年6月10日付メールが、文科省から情報提供されている。

 それによれば、「学校による調査研究に先立って、教育委員会が一部の教科書の不採択を決定し、調査研究の対象から特定の発行者の教科書を除外した場合、高等学校の性質を踏まえた教科書の調査研究がおこなわれていないのではないか、という観点からの指摘が予想されるため、こうした指摘にはきちんと説明責任を果たしていただく必要がある。」と貴教委は文科省から指導されている。
よって、
① 「学校による調査研究に先立って」、貴「教育委員会が一部の教科書の不採択を決定し、調査研究の対象から特定の発行者の教科書を除外し」たことは「高等学校の性質を踏まえた教科書の調査研究がおこなわれていないのではないか」と考えられるので、同メールの他の部分に文科省が明記している「十分な調査研究による合理的な理由」を挙げられたい。

②この点に関して、都民等から請願・陳情等で「(学校種も様々で生徒の実態も学校毎に異なる)高等学校の性質を踏まえた教科書の十分な調査研究がなされていないのではないかという観点からの指摘」が、多数寄せられている。それに対して、文科省に指導された「説明責任」をどのように果たしたか、回答文書等の文言を上げて明らかにされたい。?

③文科省は「職務命令は『強制』力を持つものであるから、当該記述は間違いとはいえず、検定基準を満たしている」と認識しているが、貴教委は、文科省と異なる認識を持つものであるか、明らかにされたい。

■4、 貴教委は、当該教科書に関して東京地裁に訴えられており、当該裁判所に本年5月29日付で答弁書を提出している。それによれば、件の見解通知は「国旗・国歌を強制している自治体がある」という記述がある実教出版日本史A・B教科書を「『使用することは適切ではない』との見解を示したものであり、『使用してはならない』としたものではなく」とされている。

 しかし、全ての各都立学校長は「『使用してはならない』としたもの」と誤解してしまい、それまで当該教科書を選定していた学校も2013年度は選定せず、結果、各都立学校の選定はゼロとなっている。

 よって、本年6月12日付指導部の「都立学校使用教科書の採択日程等について 3(2)都立学校等への対応」において「発出する」と決定した「教育長名の通知」に、「ただし、本見解は当該教科書を「『使用してはならない』としたものはないので、誤解してはならない」という文言を必ず付け加えられたい。