■6月20日(木)午後1時30分から、再雇用拒否撤回第2次訴訟の証人尋問が行われました。この裁判はいままで、裁判長1人で左右の陪席を欠く法廷でしたが、前回から裁判長が変わり、また、この日から裁判官3人体制になりました。
◆原告側証人に対する尋問
▼ 江北高校(定時制)元PTA会長のAさんへの尋問
Aさんは卒業式での教職員2人の2「君が代」不起立とともに、生徒や保護者の不起立に対して下記のような感想を雑誌に載せました。また、江北高校のPTA新聞にも報告を載せました。裁判ではその内容にかかわることが原告側、被告側から尋問されました。 ○雑誌掲載記事
○PTA新聞掲載記事
★PTA会長は卒業式の様子を証言し、かつ、「君が代」不起立で処分され、再雇用されなかった先生がいることを知って、生活の基盤を取り上げる人権侵害だと思ったと述べました。
★都教委側の反対尋問では、生徒の不起立は担任もしくは社会科教員の影響なのではないかという点を尋問したが、PTA会長は自分も生徒も自分で判断したことを述べました。
★裁判長からは「卒業式では開式全員起立の号令のまま、すぐ「君が代」斉唱になるのか。卒業生で不起立のものは、そこから座るのか」の質問がありました。
▼原告の泉さんへの審問
★泉さんは10.23通達以降、「学校運営」の方法・様子が全く変わったことを証言しました。(略)そして、職員会議の無内容等々は“生徒に対しても影響を及ぼしている。以前は行事などは生徒が自分たちで立案・実施し、教職員は見守っている存在だつた。今日では学校としての方針が出てしまうので、生徒の指示待ちになっている。自主・自立が教育の柱なのにそれが失われている主体性のない教育になっている”と証言しました。
泉さんは2004年の卒業式のとき校長が「内心の自由」を話し「君が代」を歌うか歌わないかは各自で判断することができると説明するということを条件に「座らない」ことを約束してしまったことで、体調を崩してしまったことを言いました。
★都教委側の反対尋問は、主に、泉さんは「自分の不起立の行為を生徒に見せようとしてやったのではないか、影響を及ぼそうとしたのではないか」といった観点からなされました。また、職務命令は合憲だと言うことを押し出してきました。
★裁判官・右陪席からの質問
1.2006、2007年の卒業式で、式場外の仕事についたが、職務命令がなかったのはなぜか?
2.嘱託再雇用をはいつ頃から考えていたのか? なぜ、教員職の再雇用を望んだのか?
★左陪席からの質問
1.2004年の卒業式の時、校長との話で、不本意なのになぜ立ったのか?
裁判が終わってから、弁護士会館で報告集会が持たれました。
▼報告集会が16時から弁護士会館で行われた。元PTA会長・保護者のNさんが、法廷ははじめての経験だが、裁判官は思ったよりも優しい感じがした、女性裁判官は良く聴いていてくれたので、彼女に向けて話しかけた。また、反対尋問は予想していたよりも簡単だった、と述べた。
原告のIさんは、とにかくほっとした。気楽に引き受けたが、シナリオのとおりにはなかなかうまくいかなかったが、反対尋問は緊張せずにできた、と述べた。
会場には支援者など多数がつめかけ熱気を帯びた報告集会となった。また、司法修習生も5名参加した。
「日の丸・君が代」裁判はまた新たな段階に入った。(青木)
■次回 7月8日(月) 13時30分~ 原告2名本人尋問