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2021年2月12日金曜日

「2・7総決起集会」の報告 その3

「2・7総決起集会」の報告 その3

「ILOへの「日の丸・君が代」提訴とセアート勧告について(アイム’89東京教育労働者組合 関誠さん

◆提訴(申し立て)について

2014年8月、ILO/ユネスコ教職員勧告適用合同専門家委員会(セアート)に対し、日本政府が「教員の地位に関する勧告」を遵守していないとして、是正勧告を行うよう求める申し立てを行った。

2015年3月末、ジュネーヴのILO本部とパリのユネスコ本部に、直接、日本や東京都などの状況を説明に訪問した。

◆申し立てはおもに3点。

➀教職員は、卒・入学式において「日・君」への敬愛行為を強制され、思想・良心の自由を侵害されている。

②教員は、卒・入学式の実施内容に関して何ら決定権を持たず、教育の自由の権利を侵害されており、年をおうごとに領域が拡がり、深刻になっている。

③起立斉唱命令に従わないと懲戒処分を科され、経済的不利益、精神的苦痛を被る。

 さらに考え方を改めるように再発防止研修という名の思想転向を強いられる。

 また退職時には、再雇用職員への採用が拒否され、5年間の教育的関わりの機会が剥奪される。

セアートは申し立てを受理し、調査をし、アイムと日本政府双方に反論を述べる機会を与えたうえで、2018年10月、ILOとユネスコに対し報告・勧告を採択した。

◆勧告は以下の6点。

(a)愛国的な式典に関する規則に関して

教員団体と対話の機会を設けること。…参加したくない教員にも対応できるようなものとする。

(b)…不服従の行為に対する懲罰を避ける目的で、…教員団体と対話する機会を設けること。

(c)懲戒審査機関に同僚教員の関与を得ることを検討すること。

(d)…現職教員研修に関する政策および実務を再検討しかつ改革すること。

(e)障がいを持った生徒および教員ならびに…支援するものの二―ズに照らし愛国的式典に関する要件を再検討すること。

(f)上記勧告に関する取り組みについて合同委員会への通知を怠らないこと。

の勧告を受け、2019年3月、ILO理事会が承認、つづいてユネスコ執行委員会も4月に承認し、HP上で公表された。(セアートに関する詳しい説明もされましたが割愛します)

しかし、政権は、国際機関からの勧告を「法的拘束力はない」、「従う義務なし」と閣議決定してしまうような政府であり、今回のセアート勧告も黙殺を決め込み、時間の経過とともに忘却の彼方へと追いやられてしまうであろう。

だから、なんとか今回の勧告を”賞味期限”がきれないうちに世に広め、日本社会・教育界に位置づくところまでは、頑張りたい。

以下、この間の、記者会見、文科省交渉、都教委交渉、セアート勧告を生かすための「市民会議」の発足(2020年7月)と文科省交渉、などを紹介。

現在、政府や都教委の対応をセアートに報告するレポートを「市民会議」・アイム’89連名で準備中、とのことでした。