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2017年9月7日木曜日

9/6 Sさんへの再発防止研修 抗議と激励行動

9月6日(水)、3月の卒業式で「君が代」不起立で減給処分を受けた都立高校のSさんへの「再発防止研修」が行われました。

再発防止研修と授業

Sさんは夜間定時制高校勤務で、勤務開始時間は13:30からで、授業は17:30からです。


しかし本日は研修のために9:30に呼び出されました。すると彼の本日の勤務時間は17:00で終了になり、授業をやることができなくなります。
しかし、都教委はそれを知りながら、「再発防止研修」を9:30から強行しました。
都教委は生徒の授業より、「君が代」の方がよっぽど大事なようです。すでにこのことからも、都教委の体質がよくわかります。要するに、「国家・国歌ファースト、生徒・教員ラスト」なのです。
研修所前には支援者40人が集まり都教委へ抗議しました。その中で、澤藤弁護士は研修所の役人(玄関前に10人余りいました)に向かって以下のような話しをしました。

澤藤弁護士の抗議

…東京都教育委員会とセンター職員の皆様に、2点訴えます。
第1点は、思想・良心の自由とは何かということです。…すべての国民は人として尊重されなければなりません。しかし、それだけでは足りません。・・・それぞれが個性をもった他ならぬ自分として尊重されなければならないのです。
…それぞれの人の個性とは、具体的にはそれぞれの人が他の人とは違ってもっている、その人のものの考え方や感じ方、価値観のあり方を意味します。
日本国憲法は、このことを、「すべて国民は個人として尊重される」と原理的に確認し、国民個人の多様な思想および良心について、「これを侵してはならない」と定めているのです。
…そう、主権者が公権力に命令をしているのです。ですから、東京都教育委員会は、生徒の多様な思想・良心の自由も、教員の思想・良心の自由も、けっして「これを侵してはならない」のです。
国民の思想・良心は多様です。多様な思想・良心・価値観・倫理観が尊重されなければなりません。・・・
いやしくも、国家や自治体や、もちろん教育委員会も、特定の思想・良心を公的に認定してこれを強制するようなことは許されないのです。
東京都教育委員会は、国家主義の立場から、国民は国旗国歌ないし、日の丸・君が代に対しては敬意を表すべきであるという考えをもっています。
それは、飽くまで多様な考えの一つでしかありません。しかも、日本国憲法の理念よりは大日本帝国憲法に親和性のある相当に偏った立場。こんな考え方を都内のすべての生徒やすべての教職員に押しつけることは本来できないこと、してはならないことなのです。
…このような考えに基づいて、Sさんに説得しようとすれば、たちまち新たな違憲違法の問題が生じます。このことが訴えの、第2点となります。
私たちの国の歴史は、思想・良心あるいは信仰の自由という価値を重視してきませんでした。・・・
その中でも、江戸時代初期に広範に行われた「踏み絵」と、戦前の治安維持法制下での天皇制イデオロギー強制が、恐るべきものだったといわねばなりません。いずれも、権力が憎む思想を徹底して弾圧しました。

今東京都教育委員会が行っている日の丸・君が代強制は、幕府の踏み絵や、天皇制警察の思想弾圧と質において変わるものではありません。
そこで、センター職員の皆さん。皆さんに、ご自分の立場をよく見つめていただきたいのです。あなた方の立場は、思想・良心に直接鞭打つものとして、踏み絵を実行した幕府の役人と同じ役回りなのです。特高警察と同じといわねばなりません。そのことを、十分に自覚して頂きたい。
・・・(以下、略)・・・

しかし、これに対し、総務課長のT氏は、「必要な研修を予定通り実施する」と棒読みのように答えるだけでした。

その後、<被処分者の会>、<河原井さん根津さんらの君が代解雇をさせない会><日・君大阪ネット>、<ひのきみ全国ネット>からも研修中止を求める要請書が出されました。

Sさんの発言



















当該のSさんは研修所に入る前に次のようなことを述べました。
「そもそもこの研修はあり得ない。自分は処分取り消しを求めて裁判に訴えている。だから保留状態だ。にもかかわらず、こうして研修を強制されている。やるべきではない。
これまで裁判では減給が取り消されている。自分も取り消されるかもしれないのである。」

◆研修は予定時間より10分ほど早く終了。
研修所から出てきたSさんは次のようなことを話しました。
「皆さんが闘ってくれているお陰で、つらくはない。本日、電車が遅れたので、受けようか迷った。改めて、ここにくるのにはかなり抵抗がある。
たった一人で、5月、6月、7月、8月、9月と受けさせられた。受け続けられるかと思ったが、皆さんが来てくれるからやってこれた。
研修はやらされる方も嫌だが、やる方も嫌々やっている。それは、ただ決められているからやっているだけ。
たしかに形的には正しいかもしれない。しかし全体的に見るとメチャメチャ間違っていることをやっている。不幸なことだ。都教委がやめるまで闘って行く。連帯を。」


















以上から明らかなように、この再発防止研修自体、あらゆる面からみてきわめて理不尽なのです。だから研修担当者も嫌々やっています。こんな研修を生徒の授業を犠牲にしてまでやっている都教委は相当におかしい。声を大にして、「都教委は正気か!」と言わざるを得ません