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2017年8月31日木曜日
8/29 Oさんへの再発防止研修への抗議と支援
再発防止研修に抗議と支援
8月29日(水)、3月の卒業式に「君が代」不起立で、3回目の戒告処分を受けたOさんへの「再発防止研修」があり、抗議(都教委へ行動)と支援(Oさんへ)が、水道橋の都の研修夕センターで取り組まれました。朝から昼まで、延べ70名が駆けつけました。場所は渡部さんの報告です。
澤藤弁護士の抗議
★Oさんが研修所に入る前に、澤藤弁護士は出てきた都教委の役人に対し次のような「抗議と要請」を行いました。
「…都教委は、「君が代」不起立が、研修実施によって再発防止が可能な「服務事故」であると考えていることになります。しかし、この考え方にはいくつもの大きな間違いがあります。
なによりも、「君が代」斉唱の強制が間違いといわねばなりません。威儀を正して国歌を唄えという命令は、日本という国家に敬意を払えという命令にほかなりません。しかし、国家と個人の関係をどうとらえるかは、優れて個人の価値観に関わる問題です。国が、一方的に特定の立場を強制してはなりません。
・・・・・・
教員一人ひとりには、その人なりの国家間や歴史観があり、また教育観があります。さらに、歴史的に日の丸や君が代が果たした役割についてもさまざまな見解があります。
それをすべて切り捨てての日の丸・君が代強制は、思想を統制することにほななりません。
これに従えないとする教員に対する懲戒処分は、思想弾圧であり、良心に鞭打つものと言わざるを得ません。
特に申し上げたいのは、再発防止研修の本質です。
都教委がポログラムした説得によって日の丸・君が代強制を受容しない態度をあらためよ、ということは、自らの思想・信念や良心に基づいて日の丸・君が代強制には服しがたいとする教員に対する、直接的な思想転向の強制であり、良心に鞭打って、その屈服を促す行為というほかはありません。
Oさんは、自らの信念と良心の声に忠実であったことから、今日ここで、反省を迫られることになります。しかし、Oさんの行為に反省すべきところはありません。むしろ反省すべきは都教委ではありませんか。国民の思想良心の自由を蹂躙していること、教育の場に国家主義を持ち込んでいることを、憲法や教育基本法に照らして反省しなければなりません。
憲法に保障された「思想・良心の自由」と「教育の自由」を踏みにじる都教委の「再発防止研修」の強行に満身の怒りを込めて抗議いたします。
あくまでも、この違憲遺法の研修の中止を求めますが、実施するにしても、良心に鞭打つような行為が絶対にあってはなりません。」
★その後、<被処分者の会>、<河原井さん根津さんらの「君が代」解雇をさせない会> <「日の丸・君が代」強制反対・大阪ネット>、<ひのきみ全国ネット>からの抗議文が手渡されました。
Oさんをシュプレヒコールで送り出したあと、いったん休憩にして、11時に再結集して、「研修」を終えて出てくるOさんを待ちました。
研修を終えた、0さんの報告
★Oさんは研修終了予定(11時30分頃)より早く、建物から出て来きました。
Oさんは、次のようなことを述べました。
「この形の研修は2回目ですが、内容としては同じことです。『地方公務員法に基づいて、上司の職務命令に従わなければいけない。職務命令違反を起こすことは公務員として信用失墜なんだ。学習指導要領の根拠は云々。最高裁判決でも学習指導要領の拘束力は認められているんだ。君が代裁判の最高裁判決でも通達に基づく職務命令は憲法違反ではないのだ』ということを、今日もまた服務指導ということで何度も繰り返し話しました。」「なぜ今回の服務事故を起こしたのかということをしつこく言いました。」
「研修受講報告書を30分書かされた。この研修を通じてのOの所感を書け」と言うものだった。なぜ私の感想を聞きたいのだ。私の言葉、考え、感性を一切無視して、棒読みでずーと同じことを壊れたテープレコーダーのように言って、なぜ最後になって、『所感』を開陳させるのか。そのことに違和感を感じました。」
「その報告書の最後のところに、レ点をつけなさいということで5項目があった。『国旗国歌について職務命令に従う』という項目などだった。レ点はつけなかった。そうしたら、レ点が記入してないことについて『書かないということでよろしいですか』と念を押してきた。」
あと、所属校研修で、校長からどのような指導をされたかと聞かれました。最後に都教委側は一方的に、「2度と服務事故を起こさないようによろしくお願いします」と言いました。
★支援・抗議集会は11時20分には終わり、シュプレヒコールをやって解散した。
Oさんの報告でも、現憲法下の日本社会でいかにひどい思想弾圧が行われているかという事がよくわかると思います。Oさんは4月から担任をはずされたとのことです。
「洗脳教育」に従えない者には、担任にはさせないということです。
大阪では3回の不起立でクビという条例まで作られています。この間、この「君が代」(天皇主権の歌)不起立で、東京では延べ480人、大阪では延べ62名もの教職員が処分されています。これが「主権在民を謳う日本社会」でまかり通っています。しかも教職員は「主権在民」を教えているのです。Oさんたちはそれに対し、身をもって抵抗しているのです。