私たち「都教委の暴走をとめよう!都教委包囲・首都圏ネットワークは、3.31に安倍内閣が「教育勅語」を教材として使ってもいいと閣議決定したことに抗議し、その撤回を求める声明を出しました。これから、いろいろの方法で闘っていきます。皆さん! ともに闘っていきましょう。
「教育勅語」容認の閣議決定に抗議し、撤回を求める声明
安倍内閣は去る3月31日に、「教育勅語」を学校で教材として取り扱うことについて、教育の「唯一の根本」とせず、「憲法や教育基本法に反しないような形で」教材として用いることを容認するという内容の「閣議決定」を行った。われわれは戦前教育制度の根幹をなし、軍国主義の精神的骨組みを形成してきた「教育勅語」を「閣議決定」の形で復権させ市民権を獲得させようとするこのような暴挙に対して断固抗議し、閣議決定の撤回を要求する。
第一に、「勅語」とは言うまでもなく、天皇の言葉である。憲法前文と98条に明記されているように、日本国憲法のもとにあっては、「詔勅」その他は「排除」され「効力を有しない」のである。つまり存在する余地がないのである。国民主権の原理とまったく相いれないものであるから、1948年に衆参両議院で、「排除」と「失効確認」の決議が行われたのである。
「憲法に反しないかぎり」の教材として教育勅語を用いることはとうてい認められない。
第二に、「教育勅語」(正確には「教育ニ関スル勅語」)は「臣民」としての国民が遵守すべき徳目を政治権力者が天皇家の祖先からの「遺訓」という形をとって呈示し強制したものであり、その目的は国家のために進んで貢献し、命を捧げる「帝国臣民」の育成にあったのである。
「教育勅語」には普遍的道徳が入っているなどと言う者もいるが、その根本は、「一旦緩急アレバ(ママ)義勇公ニ奉ジ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スベシ」、つまり身も心も天皇つまり国家のために捧げよということにある。
第三に、そもそも、どのような教材を使用するかなどということは時の内閣が言及することなどあってはならないことであり、あきらかに内閣の権限外のことである。教育の内容については「学習指導要領」によってその大綱が示されるのみであり、その内容は教科等の専門的知見に裏付けられたものでなければならない。一内閣が一時の思惑であれ、教育内容に言及することがあってはならないのである。
閣議決定は明らかに教育行政や教育の内容に何らかの影響や干渉をもたらすものであり、教育に対する不当な支配にほかならない。
以上の理由から、上記の「閣議決定」は不当であるばかりでなく違法かつ無効であり、断固撤回を要求する。
この「教育勅語」の閣議決定は安倍政権による「愛国心」教育の具体的中身に他ならない。「教育勅語」の閣議決定は共謀罪や改憲と連動した改悪教育基本法の実働化攻撃そのものである。
われわれ都教委包囲首都圏ネットは06年に教育基本法改悪反対を国会前闘争として闘いぬき、以降も「改悪教育基本法の実働化を許さない」と闘ってきた。かかる立場からして教育勅語の閣議決定を許すことはできない。
「日の丸・君が代」の強制を許すな! 改悪教育基本法の実働化阻止! 教育勅語の復活弾劾!
2017年4月 都教委包囲首都圏ネットワーク